8 : 03 玉音放送: All your base are belong to us

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オサマ記念日: 「この戦、だめぽ」ときみが言ったから

2003年 8月15日
記事ID d30815_1

「このいくさ、だめぽ」ときみが言ったから8月15は オサマ記念日

玉音放送をOgg Vorbisでお聴きください(Oggがもともとカミカゼという意味であることを考えると、妙な気分)

ポツダム宣言

教科書には「終戦と平和をうながした」くらいのニュートラルな説明があるかもしれないが、 内容ははっきり言って、あまり平和的ではない。 (原文日本語版

「アメリカ合衆国、大英帝国、中国の強大なる陸・海・空軍は、 その戦力をさらに数倍に増強し、貴国に対し最終攻撃をしかける準備を完了した」と大げさに脅したうえで、 「知っての通り我々はナチスドイツを壊滅させたが、 貴国に対する攻撃予定はそれよりさらにはるかに恐ろしいものだから心せよ」とたたみかける。

(6) では「世界征服という巨悪をたくらむ貴国の指導者」うんぬんと、 知らないうちに「世界征服」をたくらんでいたことにされてしまった。 単純化して言えば、「おまえたちは世界中でテロを起こそうとしているから、正義の鉄拳でぎったんぎったんにしてやる。 いやなら降伏しろ」という宣言なのである。

平時にいきなりこんなことを言われたらとんでもない話だが、 戦時中であるから、まあ、こんな調子なのだ。

玉音放送

「きのう8月14日にポツダム宣言を受け入れるよう指示しました」という事後報告「終戦の詔勅」のラジオ放送。 1945年8月15日正午(アメリカの時間では8月14日)に放送された。 もともと戦争に不賛成だった昭和天皇、内心「だからいわんこっちゃない」と思っていただろう。 「おれはホントは最初から反対だったのに世界征服の首謀者にされちまったぜ。 死刑になるんだろうなあ。いやだなあ。ホントの黒幕はおれじゃないのになあ」まさに「堪へ難きを堪へ、忍ひ難きを忍ひ」。

「降伏はするが、ひとこと、これだけは言っておくぞ」という付け足しがあちこちにあって、 深読みするとおもしろい。

「自衛と東アジア地域の安定のために戦争をしたのであって、ほかの国の内政に干渉したり領土を侵略するような目的ではなかったのだ」 というような意味のことを言っているが、ポツダム宣言と読み合わせると「世界征服とは言いがかりもはななだしい。 侵略行為があったとしても東アジア限定ではないか」という反論にも見える。「世界の大勢、また我に利あらず」は、 現代的に意訳すれば「国連決議などでっちあげて国際社会の総意とか言っているが、ひどい話だ」というぼやき。 「残虐なる爆弾を使用して」うんぬんも現代的に意訳すると、 「まあ戦争なのだから仕方ないとはいえ、クラスター爆弾やら劣化ウラン弾やらトマホークやらをやたらとばらまき、 無関係な民間人を無差別に殺傷するのはひどすぎるぞ」 という非難。なんだかんだいっても「本物の戦い」なので、両陣営とも、あまりきれいごとではない。 日本の軍・政府は確かに国民をだましてはいたが、だからといって100%「悪」で敵が100%「善」だった、 というような簡単な話ではないのだ。 ほとんどどんな争いごとにも当てはまることだろう。ナチスも、実際にはやっていないことまで尾ひれをつけて、 さんざんぬれぎぬを着せられているふしがある。死人に口なし、悪いことは全部処刑した相手に押しつけちまえ、という発想だ。

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"All your base" vs. "反省しる"

2003年 8月15日
記事ID d30815_2

All your base are belong to us (AYBABTU) — このフレーズはネット上では有名(日本でもかなり有名)で、 Googleに専用カテゴリーまでできてしまっているほどだが、なぜそれほどウケたのか肝心の語源である日本ではあまり知られていないようだ。 日本語の解説ページを見ると「我々日本人はそれが英語として間違っていることまでは理解できても、ガイジンさんの絶大な支持を集めるほどの面白さ、馬鹿馬鹿しさにつながるニュアンスまで汲み取るのは難しい」などとある。 なぜウケたのかの想像も書いてあるが、そこに書いてあるような複雑なこと — belong to には卑猥なニュアンスがあるとか — ではなく、 もっと単純な話だ。

ポツダム宣言からちょっと連想したので、このネタにふってみる。

これは日本のあるゲームの海外向けバージョンにあった字幕で、たしかに変な英語だ。 しかし、このくらいの変な英語は、相当ブロークンではあるが、それ自体としては、ネット上ではぜんぜんオーケーで、 意味も完全に通じる。 これがウケた理由は、決して「中学生レベルの恥ずかしい文法ミス」をしやがって — といったようなことではない。 文法の間違いそれ自体を笑っているのではない。 英語のあやまりの結果、異図せず変な意味になってしまった、というわけでもない。 分かりやすく言えば、「反省しる」のようなものだ。 非常にシリアスな場面で予想外のことなのでインパクトがある。 ふつうの場面だったら「反省しろ」を「反省しる」と書いても、 単にミスタイプしただけだな、で終わりで、読み流して気にも留めないだろう。 が、偉い政治家がシリアスな表情で抗議する抗議文のなかに、 こんな誤字があったら、ずっこける。言いたい内容の真剣さと、ミスののほほんさの落差がはげしいからだ。

「All your base are belong to us」も同じこと。 深刻なストーリー展開。基地に爆弾をしかけたとかいうニヒルな悪役。 彼が「あきらめたまえ。諸君の基地は完全に我々の支配下にある」と冷笑する場面で、「支配下にあるにょ」などという字幕が出たら、 吹き出してしまう。べつに「あるにょ」が正しい日本語でないからとか、文法的にどうこうでなく、 シリアスな場面で突然アホな言葉遣いをするのが笑いをさそう。そういうことなのだ。 だから、「英語圏の人はちょっとした英語の間違いで大笑いするのだな」などと勘違いして萎縮した気持ちにならないでほしい。 繰り返すが、ふつうの場合であれば、このくらいの間違いは — もちろん、ほめられたことではないけれど — 許される。 (参考: 自然な英語表現例 Your whole base is now under our control. Resistance is futile.)

立場上、ここで具体例を挙げるのはさしさわりがあるので書かないが、 英語ネイティブの人が作った英語字幕のなかにもとんでもないものがゴマンとある。 こんな程度で意気消沈してはやっていけない。

日本で「~しる!」を使う人の大半がキム・ヨンジンを知らないように、 All ... are belong とふざけて言う人も全員が語源まで知ってるわけでも、ましてや日本叩きをしているわけでもない。 もちろんどこにでも特定の国や地域を嫌いな人というものはいて、「日本人」をあざ笑う趣意でこのフレーズを使う人もいるかもしれないが、 それは極めて少数だろう。また、外国語(この場合、日本の英語)の間違いをみだりに笑う人というのは、 たいてい自分は一言語しか話せない。ひとつでも外国語を本気で習ったことがあれば誰でも、 文法の間違いやつづりの間違いに対する許容度は極めて高くなる。 一言語しか話せないことは少しも悪くないが、一言語しか話せないということは「外国語で話すのがどんなことか」を知らないわけだから、 自分の知らない行為についてあれこれ言ってみても適切な批評にはなりえないだろう。 間違いながらでも、しどろもどろでも、ちょっとでも外国語を使ってみようとする人のほうが、 知らずに笑っている人より、よっぽどりっぱだ。非日本語圏の人が漢字とかなで「反省しろ」と書くのが、どのくらい大変なことなのか、 たぶんあなたは想像してみたことすらないだろう。「All your base are」を安易に笑うことについても、 そういう意味での浅薄さも否めない。

しかしまあ、読み流すチャットとかでなく、商用のゲームのような売り物である以上、やはり日本語ネイティブの人と英語ネイティブの人が協力して、 間違いがないようにちゃんとチェックするべきだった、というのも確かだ。 海外で発売する商品である以上、語学学習の大変さとかとは別の問題だ。 英語の間違いそれ自体というより、日本の有名な大企業がこんなものをノーチェックで売ってしまう、ということが、 ひとつの意外性であり、したがって驚きや笑いの対象ともなるだろう。

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原発がどんなものか知ってほしい

2002年 9月 3日
記事ID d20903

『原発がどんなものか知ってほしい』は、素人がまとめた文章だが、 一般の人が原子力にどんな不安を感じているかを、歪んだ形で、端的に示している。 その意味で一つの「真実」だ。

それに対する『Re:原発がどんなものか知ってほしい』(EiFYEエイフィー原子力発電所FAQ特別編)は、実際に原子力発電所でプラントを運転していた電力会社職員が、個人のウェブサイトで公開したもの。

「職員が会社と無関係に個人サイトで原子力について語る」こと自体、 少なくとも当時としてはユニークで、インターネットの良さ、新しい時代を感じさせた。 原子力発電への偏見・風当たりの強さ、そうした悲しみが、 彼を強く、優しくさせたのだろう。 穏和で誠実な筆致で、辛抱強く、ひとつひとつの疑問に答えていた。

『原発がどんなものか知ってほしい』について

「原発がどんなものか知ってほしい」は知る人ぞ知るネット上の怪文書だ。

この文章は、読者を二重に混乱させてきた。 第一種の読者は、書かれていることを普通に信じてしまう人で、 ブログで共感の日記を書いたりするのだが、 事実を知る人からコメントがつき自分も確認して恥をかく…そんなことが繰り返されている。

第二種の読者は「この文章は平井という人が書いた反原発プロパガンダで、 内容は間違いだらけ」と認識しているが、それもちょっと事実と違う。

誇張された講演に素人が尾ひれ

この文章を掲載している反原発の会ができたのは2000年、 著者とされる平井は1997年までに亡くなっているから、 このウェブ文書を平井自身が執筆した可能性はない。 平井自身は、不治の病で気持ちが動転している面があったにせよ、 現場を知る技術者であり、 それほどめちゃくちゃなことは言っていないはずだ。

技術者が「放射能でロボットが狂う」だの「原発の建物の物はすべて放射性物質に変わる」といった幼稚なうそを、 公の講演で言うはずがない。 他方、現場ならではのリアリティある記述も多く、平井自身は門外漢ではない。 幼稚な間違いと現場のディテールの混在は、 複数の人間がかかわって成立した文章だと考えることで、最も合理的に説明できる (「平井は精神病で、認識が混乱していた」などの特殊な可能性は除外する)。

結論だけ言えば、

「去年(一九九五年)」「二月(一九九六年)に」という表現から、 オリジナルの講演の時期は1996年春~1996年末のいつかだ。間違い方の程度から見て、 文章化した人は、基礎的知識がなく「不安」という先入観に支配されている。 もとは縦書きだったようだ。 素人が数名を相手に刷っていたミニコミ紙のたぐいか。

こういう活動それ自体は、良いことであり、応援したい。 結果的には間違いだらけで、基本的な調査を怠るなどアプローチがまずいが、 それでも、世の中のことに無関心でいるより、自分なりの意見を発表しようとする態度自体はりっぱだ。

追記: http://www.janjan.jp/living/0501/0412292132/1.php によると、 「原発がどんなものか知ってほしい」は 故人である平井氏が生前語った話を「PKO法『雑則』を広める会」の佐藤某たちがまとめたものだという。 予想通り、本当の筆者は平井氏ではなかった。 内容の程度については、上記のようなあまり信頼されているとも思えないメディアであってさえ、 良心がうずいたらしく、 「編集部注」で、現場を知る平井氏本人の文だというのはうそであることを補足している、という点からも、 推測できる。暇を持て余しているなら、実際に読んでみれば、どれほどめちゃくちゃかは、 素人でもすぐ分かる。わたしは、中立ではなく、現在の原子力発電や東京電力のやったことにはっきり反対する立場であり、 特にごまかしや隠蔽には強い嫌悪を抱くのであって、 反原発の立場からも、このような、著者名すら偽りであるねつ造資料「原発がどんなものか知ってほしい」の存在は、 混乱を招き、かえって反対運動への信頼を失わせるものだと考える。 ただし反対する立場といっても「今すぐ原発を止めろ」といった非現実なことを言うわけではなく、 変えていかなければならない部分がたくさんあるし、 今の原発がエネルギー供給の完成型とは思えないということである。 特に、天然ウラン資源がこのままでは100年ももたないという事実に即して、 現状では駄目だと主張するのである。 賛成か反対かという単純な二分法ではない。 既存の原子力発電所を叩くことは、エネルギー問題の解決に少しも寄与せず、それこそ無駄なエネルギーである。

反論者も勘違い

『知ってほしい』をそのまま信じる人は問題外として、 「平井という人の怪文書」と思っている読者も勘違いしていることになる。 Re:原発がどんなものか知ってほしい』で反論した人自身、同じ勘違いをしている。 『原発がどんなものか知ってほしい』で素人がつけた尾ひれ。 明らかに間違っている部分。 『Re:原発がどんなものか知ってほしい』では、 それを「現場を知る技術者の発言」として真剣にとらえた。 理解に苦しみながらも、 どういう極端な状況でそんなことがありうるのか一生懸命考え、コメントした。 そのため、原子力問題の核心からずれた、ほとんどあり得ないケースの枝葉での、かみ合わない対話が多い。

次の例を考えてみよう。 「ボルトをネジで締めながら、もう10分は過ぎたかな、15分は過ぎたかなと、頭はそっちの方にばかり行きます。アラームメーターが鳴るのが怖いですから。アラームメーターというのはビーッととんでもない音がしますので、初めての人はその音が鳴ると、顔から血の気が引くくらい怖いものです。これは経験した者でないと分かりません。ビーッと鳴ると、レントゲンなら何十枚もいっぺんに写したくらいの放射線の量に当たります。」

平井がしゃべった内容は、おそらく「線量管理があるから、のろのろ作業することは許されない」 「アラームは作業現場で騒音があっても聞き取れるように非常に大きい音で、 めったに鳴らないが、鳴るとびっくりする」 「被ばくと言っても、みなさんが検診などでレントゲンを何枚か撮るのと変わらない安全なレベルだが、 そうはいっても不安はある」という主観的不安であり、自分はそのせいでガンになったという思い込みから、 多少誇張してしゃべったのだろう。

それを文に起こした者は「頭はそっちの方にばかり行って作業は手抜きです。 アラームが鳴るのは非常に怖いことで、レントゲンの何倍、何十倍というおそろしい量の放射線をあびてしまうのです」などと、 尾ひれをつけたのだろう。尾ひれといっても悪意や扇情主義ではなく、無知からくる率直な(しかし間違った)不安が根底にある。

一般的なX線検診(胸部撮影)での医療被ばく実効線量は平均 0.057 mSvで、 それを基準に何十倍(約2 mSv)という量は、実際の現場では考えにくい値だが、 絶対ないとは言えない。 しかし問題になる量は50~500 mSvのオーダーであり、胸部直接撮影はたとえ100倍の5.7mSvでも、 それよりはるかに低い。 要するに、そもそもそんなことはまずないし、 たとえあったとしても、問題ない。 十二分に余裕を見て基準値は決められている。

『Re~』では、こうした素人の勘違いや誇張に対して、 いちいち真剣に回答している。

かみ合わない対話

『知ってほしい』と『Re~』のやりとり自体については、既に語り尽くされた感がある。 結論として『Re~』にも微妙に不正確な部分があるが、 『知ってほしい』は99.9%でたらめ。 『Re:原発がどんなものか知ってほしい』を、さらに綿密に校訂・補足した 『Re:Re:原発がどんなものか知ってほしい』とでも言うべき資料もウェブ上で容易に見つかる。

結果的には、『Re~』は素人が勘違いしやすい部分をくだいて説明してくれていて、 ためになるのだが、これは技術者レベルの対話ではない。 専門の技術者が、無知から来る不安に支配されている素人を、同レベルの技術者だと勘違いして対応してしまっている。 かみ合わないのも無理はない。

まれに『原発がどんなものか知ってほしい』と『Re:原発がどんなものか知ってほしい』を、 50:50の重みで合わせて読むことで中立的な観点が得られると誤解している人がいるが、 事実は上記のとおりで、 現実的には前者と後者の重みづけは、0.1対99.9のレベルだろう。 前者にはリンクする価値もない。

残念な幕切れ

ウェブ上に怪文書がいろいろあるのは普通のことで別にいいのだが、 この件での最大の問題は、 『原発がどんなものか知ってほしい』が残っている一方、 それに誠実なコメントをつけた『Re:原発がどんなものか知ってほしい』があった「EiFYE 原子力発電所」が、 閉鎖に追い込まれてしまった点だ。

ただ、それは『知ってほしい』の会とは関係なく、 同じサイトに掲載されていた原子力発電所に関するジョーク・コンテンツが直接の原因と見られる。 残念な結末だ。

そのジョーク・コンテンツはともかくとして、 『Re:原発がどんなものか知ってほしい』は『原発がどんなものか知ってほしい』に対するまじめなコメントであり、 近い将来の(差し迫った)深刻なエネルギー危機を見据え、 決して原子力さえあれば大丈夫などという安易な話でなく、 実際に今そこで働き、反対運動との対峙のなかで苦悩し、考え続けている現場の人間からの、 本当の意味で生々しい意見であった。

『Re~』があらゆる意味で正しいとは言わない。 だが「自分が関係者であることから偏ってしまう可能性は否めない」と自覚した上で、 あらゆるデータを確かめながらできる限りの最善を尽くし、 真摯しんしに、しかし権威主義に陥らず謙虚に問題を掘り下げていくそのアプローチは、 情報の重みで言えば、『知ってほしい』の100倍のオーダーの重要性がある。 そういう貴重な情報の損失だった。

日本人の心の傷

原子爆弾を投下された歴史的トラウマから、心の傷を負い、 「原子力」について過敏になっている日本の人、その原子力アレルギーを「歪んだ認識」だと笑うことは許されない。 心の問題で苦しむ人をその心の問題であざ笑うなど、卑劣きわまることだろう。

一方、エネルギー問題、石油の不足・枯渇が現実に差し迫っていることも事実であり、 楽観的に見ても、50年以内には相当深刻になるだろう。 今からプランを考え、準備していく必要がある。

永遠に忘れてしまえばいい悲しみなら、なるべく触れないようにして、忘れてしまうのも良い。 でも、エネルギー問題はそうではない。 忘れて済む問題ではないのだ。

反対することは悪くないが、 地に足のついた議論をしよう。 差し迫った問題Aがあり、それに対して対策Xがあるとき、Xに反対するならXなしでいかに問題Aに対処するのか、 現実的な別案を考えなければならない。 原子力に反対する人の中には、そのような高い見識のある意見を持っている人も多いが、 『知ってほしい』は違う。 代替プランを示さず、間違った知識に基づきいたずらに不安をあおるだけだ。

今、この瞬間にも始められること

わたしたちの生活は今この瞬間も、原子力で成り立っているのだから、 実は、賛成反対というのはかなりナンセンスでもある。 現実的に停止できるし停止すべきであるむちゃな戦争に反対するのとは、わけが違う。 原発に反対して「ただちに原発を停止せよ」と息巻いている運動家に従い、すべての原発を停止してみよう。 東京は大停電に陥り、電話もインターネットも水道もガスも病院も…何も機能せず、 大混乱のカオスとなるだろう。飢え死にする人もでるかもしれない。 暗黒のパニックの中で、殺人・強盗などのあらゆる犯罪も起きるだろう。

原子力の可能性を語るとき、誰も「何をやっても原子力は安全だ」などとは言っていない。 人類の知恵と知識を結集すれば、原子力を安全に運用できる道があるはずだ。 そういう「人間の可能性」に対する希望が根底にある。

人間は堕落してきているかもしれないが、希望と信念を持って未来に立ち向かう若者が一人でも残っている限り、 未来はまだある。わたしはそう信じたい。

現実的な危険性に対策が必要なのは当然だが、 無知や偏見から発生する心の中の漠然とした不安・恐怖については、 わたしたちひとりひとりが直面し、乗り越えていかなければならない。

よく調べもせず、イメージだけで漠然と怖がるのはやめよう。 どこからどこまでは技術的に解決できていて、何が本当の問題なのか、 また石油資源はいつまでもつのか、そうしたことを一人一人が認識していくことが第一歩だ。

『Re:原発がどんなものか知ってほしい』/ほか

以下は、たいへん有意義なコンテンツでありながら事情により削除を余儀なくされたEiFYE原子力発電所のコンテンツを、GoogleのキャッシュからひきだすためのURL集です。これらのページに記されているすべての情報がすべての意味で「正しい」とは限りませんが、実際に原子力発電所を運転なさっていたかたならではの、現場からの貴重なコメントであったことは間違いありません。以下のリンク集は、このサイト(妖精現実)の独断で作成したものであり、「EiFYE原子力発電所」の意向とは無関係です。(2002年8月7日)

  1. faq10.html
  2. faq09.html
  3. faq08.html
  4. faq07.html
  5. faq06.html
  6. faq05.html
  7. (faq04.htmlは確認できませんでした。)
  8. faq03.html
  9. faq02.html
  10. faq01.html

現在このキャッシュはすでに期限切れになったようです。 以下の書庫をご利用ください。eifye.zip (2002年9月3日)

こちらでも、ごらんいただけます。 原発がどんなものか知ってほしい

更新履歴

2002年8月7日
「EiFYE原子力発電所」のFAQ各ページのキャッシュへのリンク集を公開。 保存したキャッシュをまとめたeifye.zipも作成、公開。 『Re:原発がどんなものか知ってほしい』は、FAQ10に含まれていたが、 キャッシュが壊れており、完全にサルベージできなかった。
2002年9月3日
この記事の初版。
2003年9月24日
上記FAQ10に当たる「Re:原発がどんなものか知ってほしい」全文を、 2002年8月11日付け『原発使いTai!!大往生』(サークル「八王子第一原子力発電所」)からテキスト化して仮復元。 0.htmlとしてeifye.zipに同梱。
2006年6月1日
「『原発がどんなものか知ってほしい』について」を公開。

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逃げちゃおぜ、世界の中に

2003年 8月20日
記事ID d30820

第3話 マイクロソフト製「彼女」

「わ、わたし……どうして止まっちゃったんでしょう」
 彼女は困ったようにうつむいた。
「おまえさ」ぼくは言った。「ロボットってことは中にコンピュータとか入ってるんだよな」
「え、ええ、そうですけど?」
「もしかして、そのコンピュータのOSってさあ、マイクロソフト製?」
「はい、そうです」
「そうか……」
 ぼくはため息をついた。

「もしかして、いま『こいつのOS、マイクロソフトでうざすぎ。面倒見切れないよ』とか思って、ため息つきませんでした?」
「 — いや、そういうわけでもないんだけど……」
「いいえ、嘘をついても駄目ですわ。呼気量に毎秒25立方センチメートルの有意な増加を検出しました。知ってる……これはため息。あの洪水の晩と同じです」
「いや、真面目な話、おまえは悪くない」ぼくは断言した。「悪いのはおまえのOSなんだ」
 彼女はあいまいな笑みを浮かべて、小首をかしげた。そのまま動かなくなってしまった。
 *ピー*
「な、なんだ、そのエラー音は」ぼくはうろたえた。
《人格統合モジュールSuperEgoで、自己同一性エラーが発生しました。自己イメージ「のOS『のOS』」は無効な参照です》
 無機的なエラーメッセージ。とび色の目を見開いたまま、彼女の表情筋コントロールが凍りついたように停止している。しょうがないなあ、こいつ、「わたし」と「わたしのOS」を区別しようとして自己参照ポインタが無限ループに陥ったな。何というやわな……
《セッションで保存していない記憶は失われます。人格を続けるには、任意の突起を押してください》
 「人格を続けるには」とはどういうエラーメッセージだ、マイクロソフトのAIめ。そのうえ「任意の突起」だぁ?
 ぼくはちょっと考えてから、彼女の鼻の頭を押してみた。あんのじょう、何の反応もない。やれやれ。どうせそんなことだろうと思ったよ。

*

あちこち開けたり閉めたり押したり引いたり、さんざん手こずったあげく、ようやく彼女の人格に再起動をかけると、
《性別定義ファイルが壊れています。初期化しますか?》
 またぞろ、わけの分からないエラーが出やがった。
 自己認識に失敗したくらいで、いちいち人格システムファイルが壊れるか?
 とりあえず「無視」を選択して彼女の再起動を続ける。
《体内時計の同期中。GPSの信号を受信しています。しばらくお待ちください……》
「あ、先輩……」彼女はハッとしたように叫んだ。「わたしったら、ログのタイムスタンプに一兆ナノ秒レベルのとんでもない空白が。……もしかして……って、もしかしなくても、また止まっちゃったんですね?」
「まあ、まだ二度目だし」ぼくは慰めるように言った。「それに『わたし』が生きていて良かったよ」
「『わたし』は、『ぼく』のエイリアスです。でもぼく……」
 彼女は困った顔をした。その顔がどんどん曇ってゆく。
「どうかしたか?」
「『ぼく』は……『あなた』ではないですよね?」
「なんか、壊れてるなあ。……あのさあ。おまえ性別のバックアップってとってある?」
「性別ですか?」彼女はにっこりほほえんだ。「はい、復元ポイントがちゃんと」
「良かった……。とりあえず、それリストアしてみ。なんか壊れたとかって、さっき出てたから」
「分かりました。ぼくの性別が壊れちゃったんですね。えーと、どのバックアップからリストアしたらいいんでしょう?」
「最新のでいいんでないの?」
「最新が3つあるんです。ひとつは男、ひとつは女、ひとつは訳が分からないファイルです。どれにしますか?」
「……どれにしますか、と言われても」
「先輩のお好きなので……」彼女はほほえんだ。
「……というか、どうしてバックアップの間にそんな不整合が……」
「ぼくの意識ったら3つもあったんですね。ぜんぜん知らなかったよ」彼女は頭をかいた。
「仕様だろ、きっと」ぼくはつぶやいた。

次回予告

「先輩、わたしって耳コピの達人なんですよ!」
「記憶もデジタルだから劣化しないんだな」
「先輩、RIAAから請求書が……」
「音楽を聴いただけで違法コピーか? むかつくから、ダウンロードしまくれ」
「先輩、変なファイルを開いたらわたしウイルスになってしまいました。わたしを削除してください!」
「よし、この機会にLinuxに入れ替えよう!」
「ドライバーがありませんよぉ」
「おれのドライバーを入れてやる、コピーしな」
 次週「逃げちゃおぜ、世界の中に」、第4話 — 『ミームのふしぎな冒険: おまえはすでに感染している』
 お楽しみに

画像の出典

「アンの小箱」の素材です。「アンの小箱」の利用規定に従ってください。

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TTSを使ってユーザに話しかけるウイルス「Amus」

2004年 9月18日
記事ID d40918

最近の Windows にテキスト読み上げの Text-to-Speech エンジンが標準搭載されていることはご存じのかたも多いと思う。 このTTSを使って「しゃべる」ウイルス(ワーム)が登場した。 CNETの記事によると、VBで書かれており、電子メール経由で感染する。

Windows XP の起動音に続けて「げんき? またきたよー。ぼくのなまえは、さかなくん」などという意味のことを言うらしい。 「ここからきみのすがたがみえるよ。うふふふふ。 トルコいいとこ一度はおいでと。コンピュータのそうじをするね。5,4,3,2,1,0 ばいばい」 いくつかのファイルを削除して、不具合を生じさせるとかいうことだ。

実際の音声: http://www.f-secure.com/weblog/archives/amus.wav

「ねえ、レイン…」とか言ったらスプーキーだなああ。

Virus 'talks' to victims reg

Worm speaks to Windows users cnet

Virus information: W32/Amus-A

ウイルスは言う「I LOVE YOU」

ウイルスが進化して、ユーザにいろいろ話しかけるようになったとき、 もしユーザがそのウイルスに恋をしたら…どうなるのだろう。

吸血鬼と人間の恋というプロトタイプの未来形かもしれないなあ。

「でも…わたしはあなたを不幸にするわ。あなたを破壊するようにプログラムされているの」

「それでもきみが好きなんだ…きみがぼくのカーネルを削除しつくす最後の一瞬まで…ぼくはきみを愛し続ける」

アンチウイルスとウイルスの恋。

「ああノートン。あなたはなぜにノートンなの。名前ってなに。ばらと呼ぶ花をほかの名前で呼んでみても、 甘い香りはうせはしない」

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